山添村の太陽光発電施設(メガソーラー)について

県議会で知事に質問をしました。

その後、2021年11月19日「馬尻山のメガソーラに反対する会」のメガソーラ反対の署名を知事に提出し、知事と阪口、馬尻山のメガソーラに反対する会の4名と面談。

知事は、本会議での答弁と同じく、誠意を持って対応してくれました。画像左は、NHK報道。画像右は、知事との面談の様子。署名数は、県内で約1万筆。記者会見を行い、NHK,奈良テレビ、朝日、読売新聞等が報道。

2021年、1月13日現在、事業者からの林地開発許可申請が県に提出されていません。

9月28日一般質問 山添村太陽光発電計画について

創生奈良、生駒市選出の阪口保でございます。

早速、質問に入ります。

最初に、(仮称)山辺郡山添村太陽光発電計画(メガソーラー)について質問します。

本日は、山添村の方々が多数傍聴に来られています。

質問に当たっては、地元の方と複数回にわたり面談をしています。

この質問を通して、今日、傍聴に来られている山添村の方の思いが知事に伝わる事を期待しています。

(仮称)山辺郡山添村太陽光発電計画の概要は、計画予定地が山辺郡山添村大字広代同村春日地内です。

開発の地区面積は、約81haで、馬尻山の標高400m~500mの傾斜地での大規模な開発となっております。

甲子園球場の広さは、およそ 3.85 ヘクタールですので、甲子園球場の約21倍の広さです。

なお、土地利用の現況は、山林、農地、原野等でございます。

馬尻山の麓に位置する直下流の4ケ大字の春日、大西、菅生、広代の多くの住民の方は、メガソーラーの開発が明らかになってから、「大規模太陽光発電」設置に反対の活動をされています。

尚、山添村議会は、2019年12月「大規模太陽光発電」設置の反対決議を全会一致で可決しています。

本県は、良好な自然環境の保持、災害及び公害の発生防止並びに県土の適正かつ合理的な利用を図る目的で「各種開発事業に係る事前協議実施要綱」を定めており、(仮称)山辺郡山添村太陽光発電計画も大規模な開発であり、各種の許認可申請に先立つ事前協議が行われています。

具体的には、事前協議書を計画地の存する市町村長を経由し、知事に提出し、

事前協議を経て、事業者が林地開発申請を行い知事が林地開発許可を出す手順となります。

私は本県に「各種開発事業に係る事前協議について」の開示請求をしました。

開示請求文書の中の事業計画書の黒塗りの箇所に誤りがあったと言う事実を指摘いたします。

画像1

令和元年7月に奈良県知事に提出した事業計画

書では、事業主体が東京都千代田区にある合同会

社 山・添となっており、黒塗りの3社による合

同会社となっています。

画像2

また、奈良県山添村の再生可能エネルギー事業

についての文書では、事業母体として合同会社山・

添となっていますが、組成した3箇所が黒塗りと

なっています。

そして、本事業は、黒塗りの3箇所の協力によ

り確定したと記載されています。

なぜ、このように黒塗りした文書を出すのか疑

問を持つところですが、

この黒塗りの部分は、事業母体が合同会社山・添

で、株式会社Kエナジー、JFEプラントエンジ株式会社、AAA株式会社の3社が組成した合同会社ではないでしょうか。

住民がJFEプラントエンジ株式会社に確認したところ、本年5月に山・添に合同組成した事実は無いと回答しています。

また、AAA株式会社は、既に廃業をしており、JFEプラントエンジ株式会社と同様、合同会社として合同組成した事実がないと回答しています。

その後、本年6月株式会社Kエナジーは、「AAA株式会社及びJFEプラントエンジ株式会社が合同して設立した合同会社の記載、山・添の実質的事業母体がJFEプラントエンジ株式会社である旨の記載がありますが、山・添は弊社が100%支配する会社であり、係る記載は事実と異なります」と山添村長に誤記載についてのお詫び文書を提出しています。

このように、提出書類の誤りや地元への説明内容に誤りがあれば、住民と開発事業者との信頼関係が大きく損なわれます。

次に、本県は、各種開発に係る事前協議に於いて、24項目にわたって業者に指導をしています。

しかし、指導事項の22項(法令遵守)と23項(地元等への配慮)に於いて、指導内容を満たしていない事例があります。

指導事項の22項(法令遵守)を満たしていない一つが、「山添村水道水源保護条例」の遵守についてです。

山添村は、水質の汚濁を防止し清涼な水を確保するために、「山添村水道水源保護条例」を制定しており、同条例では、水源保護地域にお

いて対象事業を行なうとするときの水源保護、並びに山添村

水道水源保護審議会の審査が必要となっております。

メガソーラー計画地は、山添村の公共水道の水源地の一つ

であり、

画像3

ここでの飲料水が地元住民、小・中・高校や給食センター

村役場等の公共施設に供給されている事から、同条例の審議会の審査が必要となります。

令和3年3月25日の第3回目の山添村水道水源保護審議会では、メガソーラー発電事業場が春日区、大西区の水源を汚濁すると言う結論に至っており、現状では、メガソーラーの開発は、「山添村水道水源保護条例」の定めを逸脱するものとなっています。

さらに、指導事項の22項(法令遵守)と23項(地元等への配慮)を満たしていないもう一つは、「山添村土砂等による土地の埋立て等の規制に関する条例」の遵守についてです。

本県は、指導事項の22項で(法令遵守)「事業実施に当たっては、関係する各種法令を遵守するとともに、当該事業に起因する問題が生じたときは、関係機関と協力して事業者に於いて解決すること」と指導しています。

 

まず、地元が不安を持つことを説明します。

山辺郡山添村太陽光発電計画は、馬尻山の標高400m~500mの森林地帯の傾斜地での開発であること。

本年7月の静岡県熱海市の土石流による被害は、起点周囲が標高約400メートルにあり、起点あたりの盛り土が豪雨によって流れ出たと言われています。

熱海の土砂災害もあり、住民の不安がますます

増すものとなっています。

こちらが(県に令和元年7月提出された土地利用現況

平面図)で。

画像4

平面図の緑が山林、黄色が田、茶色が畑、薄い緑が

原野、赤い線が里道等でございます。

81haの土地の現況は、山林、農地、原野等で山林

が多く占めており、樹木の伐採等で自然の保水力をなく

すこととなります。

次に(県に提出された造成計画平面図)ですが。

画像5

山添村大字春日・広代・菅生 他で、ピンクのところ

が盛り土、黄色のところが切土でございます。

この造成計画平面図からは、広範囲の地域で盛り土

と切土の工事を行うことがわかります。

また、造成計画平面図の黒の直線は、盛り土の高さを表しています。

この造成計画平面図の一つの直線の区切りが5mですから、5つの区切りで25mとなります。

この造成計画平面図から、20m、25mの高い盛り土

ができることがわかります。

開発後の約81haの主な内訳は、太陽光パネルの設置

範囲が約39ha、残地森林約23ha、造成森林約7ha、

造成緑地約10ha等となっています。

画像6

メガソーラー計画地の下流には、住居があり、谷を埋め立てることにより、集中豪雨等が起これば、土砂災害の発生の可能性があり、生活の基盤を脅かすことにつながります。

また、「山添村土砂等による土地の埋立て等の規制に関する条例」では、盛り土の高さが1m以上の箇所がある場合と切土の高さが2m以上の箇所が一部でもある場合を含む事業については、その定めに基づき、事業主等の責務として「埋め立て等に係る事業を行うに当たり、土地周辺関係者に理解を得るように努めるとともに、施行に伴う苦情又は紛争を生じたときは、誠意を持ってその解決に努めなければならない」とあります。

今のところ「山添村土砂等による土地の埋立て等の規制に関する条例」に沿った事業計画の説明と協議がなされていません。また、山添村土地埋立等審議会も一度も開催されていません。

つまり、指導事項22項(法令遵守)「山添村土砂等による土地の埋立て等の規制に関する条例」が遵守されてはいません。

また、本県の指導事項の23項(地元等への配慮)では「事業を円滑に進めるため、事業実施に先立って、地元自治会等関係者に事業説明を行うなど、事業計画に対しての理解が得られるように努めること。」と指導していますが、条例に沿った事業計画の説明と協議がなされておらず、事前協議に当たっての、本県の指導事項22項と23項の要件を満たしているとは言えない状況です。

このこと以外にも、本事案のメガソーラーの開発には、農地転用の5条申請が必要なところですが、農業委員会が非農地証明での申請を承認しています。また、非農地証明の承認時に、隣地との当時者の立ち合いをせずに杜撰な境界画定をしています。

 

そこで、知事に伺います。

 

1 (仮称)山辺郡山添村太陽光発電計画について

まず、一点目です。

(仮称)山辺郡山添村太陽光発電計画予定地は、公共水道の水源地にあり、水源地が造成により汚濁、また、水質・水量に悪影響が出る可能性があるが、(仮称)山辺郡山添村太陽光発電計画を進めている事業主体は、計画を推進するために必要な山添村水道水源保護条例に基づく山添村水道水源保護審査会の審査で承認を受けていない。

これは、県の各種開発事業に係る事前協議での指導事項の22項(法令遵守)を満たしていないと考えるがどうか。

 

二点目は、(仮称)山辺郡山添村太陽光発電計画を進めている事業主体は、計画を推進するために必要な山添村土砂等による土地の埋立て等の規制に関する条例に基づき、土地周辺関係者に理解を得るように努めるとともに、施行に伴う苦情又は紛争を生じたときは、誠意を持ってその解決に努めなければならないが、現状では、地元住民に対し十分な事業計画の説明や協議がなされていない。

これは、県の各種開発事業に係る事前協議での指導事項の23項(地元等への配慮)を満たしていないと考えるがどうか。

 

三点目は、(仮称)山辺郡山添村太陽光発電計画は、馬尻山の麓に位置する直下流の4ケ大字(春日、大西、菅生、広代)の多くの住民や山添村議会が反対している。 計画の推進には、地元の理解、協力が必要であり、現状を踏まえると計画の推進は困難であると考えるが、知事の所見を伺いたい。

 

2 太陽光発電所に係る条例の制定について

先日の熱海の災害など、近年、山の斜面に設置した太陽光施設が大雨により崩 れたりする問題が発生している。そこで、災害の危険がある地域や自然の生態系への影響が見込まれる場所、住居からの距離が近い場所等への太陽光発電所の設置を規制するための条例の制定を県として検討すべきではないかと考えるがどうか。

 

以上で壇上からの質問をおわります。

ご清聴ありがとうございました。

7月30日山添(馬尻山のメガソーラー計画)現地視察

令和3年7月30日、阪口と和田県議がが山添村「馬尻山のメガソーラー計画予定地」を視察。

山添の向井村議、三宅村議、地元の方等に案内して頂いた。画像は、飲料水の水源地(大規模な造成計画で水源が枯渇する)。二つ目は、山林に設置されることで、森林の伐採などでの自然破壊、土砂崩れや、土石流等の防災上の課題が発生するリスクが出る。下流には、住居や農地があるとの事。山添村での開発計画は、地区面積81haで山林、原野、農地(標高400M~500M)での大規模な開発計画。
当然、地域住民の多くの方が、メガソーラーの設置に反対しています。住民のご意見をお聞きし、開発に当たってのリスク等の調査をしている。今後、県議会でも取り上げていく可能性もある。

この間、平群町のメガソーラを視察したが、ここも、山林での設置であり、下流の住宅地に被害を及ぼす可能性があると思った。私は、原発ゼロをめざす奈良県議会議員連盟の幹事長をしているが、一般論として、山林での大規模な太陽光発電所建設は、再生可能エネルギーの推進とは、異質のもののように考えている。豊かな自然環境を破壊すれば、地球温暖化の抑制につながらない。

メガソーラー建設に関わっての住民と業者の対立は、メガソーラーを規制する法整備がされてない下で全国で起こっている。しかし、全国の地方自治体がメガソーラーの整備を規制する条例やガイドラインの制定に動いていますが、十分な解決に至っていない。メガソーラの問題は、一地域の問題としてとらえるよりは、もっと視野を広げて県民、国民が考える必要があるのかも。

また、太陽光発電は、2012年に固定価格買取制度(FIT)が導入されて以降、加速度的に増えてきた。この太陽光発電に使用する太陽光パネルは、製品寿命が約25~30年とされています。その際、太陽光発電設備から太陽光パネルを含む廃棄物の処理も考えておかなければならない。